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2005年08月30日
グローバルガバナンス(国際社会の統治)の大胆な見直しなくして、MDGは不可能
アフリカ・国際市民社会組織による共同声明
国連ミレニアム+5評価サミットを前に
2005年8月19日 ケニア ナイロビ
来月、189名の世界のリーダー達が、国連ミレニアム(+5)サミットに出席するためにニューヨークに招集される。ここでは、国連安全保障理事会の改革、経済社会理事会、総会、人権を達成するための戦略、紛争の緩和、食の安全保障、気候変動、世界的テロとの闘いについて議論される。このサミットではまた、ミレニアム宣言とミレニアム開発目標(MDG)の実現についての進展が評価される。このサミットに先駆けて、アフリカの東部、大湖沼地帯国、「アフリカの角」地域、南部地域から、25のアフリカ・国際市民社会組織がケニアのナイロビで会合し、成果文書草案を検討し、政府・地域機関に対するメッセージを作成した。
2005年のアフリカの政治的・文化的・経済的文脈の中で、成果文書草案(Draft Outcome Document)(8月5日)を検討したところ、この文書はいまだに、多国間システムの大胆な見直しとアフリカにおける人権・MDGの実現について、信頼のできる議題を示すことができていない。
今後4週間の間に、これを変更させる時間はまだある。
私達、市民社会のメンバーは、東南部アフリカ共同市場(Common Market for East and Southern Africa、COMESA)、政府間開発機構(Inter-Governmental Authority on Development、IGAD)、東アフリカ共同体(East Africa Community、EAC)、東アフリカ立法議会(East African Legislative Assembly、EALA)、ナイロビにあるアフリカ諸国の大使館の代表らと行った議論において、以下のようにアフリカに関連した主要な課題を特定した。
私達は各国の代表団、地域の政府間組織、市民社会組織に対して、文書草案を以下のように強化するよう呼びかける。
◆安全保障とグローバルガバナンス(国際社会の統治):
私達は、人間の安全保障の問題は権力の乱用と人権の侵害に関わる問題だということを指摘したい。国連の始まりから半世紀の間、緊急事態と食の不安定という状況における、国連の平和維持活動と介入は、不足している状態が続いた。武器の生産と貿易を規制し、人々の安全保障を国家の安全保障より優先させ、地域の和平のイニシアチブのための金銭的サポートを増やすことなくして、アフリカは過去5年間に獲得した重要な利益を、資本に転換することはできないだろう。
このため、私達は次のことを求める:
・国家の安全保障と人間の安全保障の第一焦点は、市民・人民の保護を確実に行うことだということを、文書の中で明確に認識する。
・アフリカの平和維持を強化するためのサポートを行う10年プログラムの提案では、技術支援・訓練以上のことをする必要がある。つまり、アフリカ政府が予備の活動を引き受けることができるように、アフリカの政府に実際の資金提供をする必要がある。
・OECD諸国に、軍事費よりも開発のための資金調達を優先させるようにして、軍事費を開発援助と同じ部門に入れるのをやめさせる。
・紛争と緊急事態の問題をめぐる委任統治に関しては、常設の専門家委員会(Panel of Experts)が、提案されている平和構築委員会(Peace Building Commission)を補完すべきである。これら二つの委員会が既存の早期警戒メカニズムを強化するために設置されるべきである。これらの委員会が受ける委任の内容には、紛争に対する独立した調査・検証が含まれるべきである。さらに、平和構築委員会の委員が選ばれる基準、役割、責任が明確にされる必要がある。
・国連監視団・平和維持に関しては、国連軍が兵士を武装解除して一般市民を守ることができるように指令内容が広げられるべきである。
現在行われている国連改革の議論については、より広いグローバルガバナンスの問題から考える必要がある。私達は、アフリカ各国が安全保障理事会などの主要な意思決定システムにおいて十分代表されていないという各国政府の懸念に共感している。私達はまた、安全保障理事会が地理的に公平に代表されることを確実にするため、また透明性と説明責任を確保するために、拡大されるべきだという考えについても、同感である。
とはいえ、各国の代表団は、世界規模の財政的・経済的な統治という重要な問題に関しても、安全保障理事会の問題と同様の緊急性をもって取り組む必要がある。国際金融機関による(貸付・債務削減における)条件付けは、私達の経済が成長し、公平に多様化し、国内貯蓄・雇用・基本的な社会的サービスを確保するための生産能力に影響を及ぼし続けている。昨年、アフリカにおける貧困の深刻化と、良質の公共サービスを提供するアフリカ諸国の能力が激減していくのをくい止めるために、教育費の撤廃、貿易関税、予算の上限の撤廃の重要性が認識されたことは、重要な出来事だった。
この国連という多国間システムの改革によって、市民に対する国家の説明責任を確保するメカニズムと、多国間で合意された国際規範・基準が確立されなくてはならない。企業、国際金融機関、貿易機関などの多国籍の非国家主体を規制するためのもっと強力なメカニズムが設けられない限り、この多国間システムの改革は、アフリカにとってほとんど関係のないものになってしまう。
提案されている国連改革を意味のあるものにするためには:
・拡大された安全保障理事会におけるアフリカの代表は、狭い国家の利害ではなくアフリカ全体の利害を反映しなくてはならない。地域・準地域・各国の国会議員に対するアフリカ安全保障理事会メンバーの説明責任を強化するためのメカニズムが確立される必要がある。
・国連は、国連改革プロセスに市民社会組織が完全に参加できることを促すために、形だけの協議以上のことをする必要がある。
◆人権、公正、和解:
世界的な安全保障、環境、民主主義、人権、開発の分野で、素晴らしい権利規範を確立した国連システムの重要な役割については認めるが、これらの規範の信頼のおける実施は十分に行われていない。その例として、人権に関する国連の支出額は信じられないほど少ない。
文書草案には、以下のことが求められる:
・文書草案は、MDGの実行と、国連が確立した国際人権枠組みや既存の地域の人権法律文書(特に人間と人民の権利に関するアフリカ憲章(African Charter on Human and Peoples’ Rights))との間に、明確な関連性を持たせるべきである。
・文書草案は、国々が人権を侵害した場合に、より効果的に動けるようにすることを視野に入れて、国際刑事裁判所、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)、人権理事会を強化するように国連に強く求めるべきである。
・文書草案は、人権を守り促進するための、整備された実施メカニズムを確保することによって、多国間の資金調達・投資・貿易システムにおいて、国連が支配権を持つことを再確認すべきである。
公正と和解の均衡を保つことに努めるような、暫定的な司法メカニズムを強化する必要がある。紛争発生前と紛争後の社会ではどちらにおいても、持続可能な平和のための基礎として、公正、補償、復興の問題に取り組む入念な努力が必要である。特に暫定的な司法プロセスでは、民族性、人種差別、社会の全ての層を包含するという概念、といった問題に取り組むことを目指すべきである。アフリカは、ルワンダ、南アフリカ、シエラレオネといった、国際社会全体が学ぶことができる素晴らしい例を持っているため、この点においてはリーダー的存在だといえる。
以下のことが重要となる:
・紛争の間の性的暴行と、HIV/エイズという流行病の広がりとの間の連関性について、特に再確認すること。これらの傾向を防止し、根絶するための包括的メカニズムが導入される必要がある。また、加害者の捜査と起訴、被害者に対する補償と社会復帰に関して注意する必要がある。
◆社会的・経済的開発:
アフリカ各国の首脳達と各国代表団らは、政策の選択余地を広げることと、アフリカの市民に悪影響を与えてきた基本的サービスの民営化などの分野における外部からの条件付けを止めさせることを要求していくこの機会を逃してはならない。具体的にいうと、文書草案には以下のことを含めるべきである。
・MDGの最初の目標を達成しそこねたことをはっきりと認める――すなわち、今年、初頭・中等教育において男女平等を達成できなかったことである。
・すでにより高い開発目標を設定したアフリカ政府が、MDGにおける最小主義の枠組みに合わせて彼らの目標を低く設定しなおすことを許すべきではない。
・食の安全保障、紛争、緊急事態の問題に包括的に取り組むために、国連のアフリカ諸国との活動を促進させる。
・先進工業国が自国の農家に対する補助金を廃止しない限り、MDGは達成できないままとなることを認める。これらの農業補助金は、アフリカの農業開発と食の安全保障に悪影響を与えてきたし、与え続けるだろう。
・二国間制度に対していくつかの政府が負っている債務の、醜悪な性質についてはっきりと認識する。これらは返済されるべきではないし、その他の債務は開発のための資金として使えるように完全に帳消しされるべきである。
・欧州その他の外国で保有されている、腐敗したアフリカのリーダー達が吸い上げた資金やその他の財産を、無条件で返還することができる、多国間枠組みを確立するよう、国連に委任する。
◆環境統治:
私達はしっかりした環境保護に関する統治政策を確保することの重要性を強く主張する。アフリカ内の紛争を長引かせる結果を招くことの多い、天然資源管理と外部の利害との間の相互関係を認識する必要がある。このため国連は、これらの紛争を防ぐことを確実にすべきである。また紛争が起きている場合には、アフリカの国々がタイムリーに、効果的な方法で対処できるように、これらの国々の能力を構築しておくことを確実にしなくてはならない。さらに、国連システムにおける環境統治として、有毒廃棄物の投棄の問題に特に取り組まなくてはならない。特に北の国々の政府は、環境保護を規定しているこれに関連した国際法律文書に署名しなくてはならない。
◆女性の権利:
開発の全ての局面において女性が完全に参加することは、女性の権利を推進するのに重要である。文書草案は以下のことを主張すべきである。
・政治と意思決定に女性が参加することが最重要であること、特に和解・平和構築のプロセスにおいてそうであること。
・資産その他の生産的資源を女性が所有し管理するということを、MDGにおける貧困克服の指標として含めるべきである。
・紛争状況下、平和維持、軍事行動(訓練)における女性・少女に対する性犯罪は、どの段階においても人道に対する犯罪であり、捜査、起訴、補償の点でそのようなものとして扱われるべきである。
・女性が性と生殖に関する健康についての情報とサービスに対して普遍的にアクセスできること、HIV/エイズのための効果的な薬の利用を拡大すること、女性に対する暴力を止めるための全国キャンペーンを行うことは、HIV/エイズがアフリカの女性に与える影響に包括的に取り組むための重要な戦略である。
2005年8月19日 署名団体:
ActionAid International, African Women’s Development and Communication Network (FEMNET), African Women’s Economic Policy Network (AWEPON), Centre for Minority Rights and Development (CEMIRIDE), CIVICUS, Inter-Ecclesiast Committee for Peace in Angola (COIEPA), Co-ordinating Assembly of Non-Governmental Organisations (CANGO)-Swaziland, The CRADLE Children’s Foundation-Kenya, Centre for Empowerment and Rehabilitation of Women-Kenya (CREAW), Elimu Yetu Coalition-Kenya, Institute for Justice and Reconciliation-South Africa, Institute for Security Studies (ISS)-South Africa, Kenya Association for the Advancement of Children’s Rights (KAACR), Kenya National Commission on Human Rights, Kenya Youth Empowerment and Community Development Programme (KYCEP), League of Kenyan Women Voters, Legal Resources Foundation-Kenya, Maasai Education-Kenya, MDG Coalition-Kenya, NEPAD-Kenya, Oxfam, SEATINI-Kenya, Solidarity Africa, UNDP, Urgent Action Fund-Africa, World Vision-Rwanda, Young Women Christian Association (YWCA)-Kenya, Zambia MDGs-GCAP Network
原文:
MDGs not Possible, without a Bold Overhaul of Global Governance
Joint Statement by African and International Civil Society Organizations
Ahead of the UN Millennium +5 review summit
Nairobi, Kenya 19th August 2005
投稿者 ほっとけない*** : 2005年08月30日 01:18

