« G8閉幕 次の貧困との闘いは国連サミット9/14へ | メイン | 世界各国からのニュース速報 »
2005年07月10日
世界各国からのニュース速報
ロックとオペラの論理=論説室・玉置和宏
毎日新聞
[アフリカ支援]「金額だけが一人歩きせぬように」
読売新聞
特集:グレンイーグルズ・サミット議長総括(詳報)
毎日新聞
「ライブ8」主催者ら、アフリカ援助で成果とサミットを評価
朝日新聞
ロックとオペラの論理=論説室・玉置和宏
引用
◇グレンイーグルズ(英国)で
グレンイーグルズホテルの記者会見場にロックスターのボブ・ゲルドフさんが現れた。主要国首脳会議(G8サミット)の取材でロック歌手のお相手かと思ったらこれが大きな間違いだった。
「アフリカの貧困は現代の最も大きな政治問題だ。アフリカを救うには公正な貿易が必要です。欧米は自国保護で巨額な農業補助金を投入しているがこれがアフリカを苦しめているのですよ」
マクロからミクロまで現代アフリカのすべてを的確に説明してくれた。そのそばに同席していたケニアのマータイ副環境相(「もったいない」という日本発環境用語を世界に広めている)と一緒にいちいちもっともだとうなずいた。
今年のサミットは市民社会の価値観に目を向けてこの考えを具体化した初めての会合である。世界の大都市で行われたアフリカ支援の「ライブ8」は数十万人の観衆を集めた。その先頭にかつての盟友ブレア首相がいたのだろう。
実は7年前に同じ英国のバーミンガムでやはりブレア首相のホストでサミットが行われた。その時初めて「ジュビリー2000」というNGO(非政府組織)が「債務をゼロに」というスローガンを掲げて手と手の「人間の鎖」で会議場を囲んでいた。それを新聞メディアとして初めて社説に紹介したのが昨日のように思える。
ユニラテラリズム(単独行動主義)と批判されたブッシュ米大統領ですら例の「9・11」同時多発テロの後には貧困削減予算を急増させた。「貧困こそテロの誘因である」という世界的世論に応じたのだろう。
その功労者であるブレア首相がその成果をまさに手にする瞬間を狙ったロンドン爆破テロは「世界最悪の卑劣人間」という言葉しか思い浮かばない。
今回で海外サミット取材は7度目になった。小泉純一郎首相は5度目だから彼のサミットのすべてをカバーしたことになる。
私のみるところ非論客系だがなかなか善戦している。01年のジェノバではイタリア人記者への当意即妙のアンサーは最高だった。
「今度のサミットはオペラに例えるとどうだったか」という質問に「テノール、バス、そうソプラノもあって、いやソプラノはなかったけど、バリトンというようにいいハーモニーを奏でていたねぇ」と楽しそうに答えていたのを思い出した。このイタリア記者が「ソプラノって誰か」と筆者に聞きにきたので「それはブッシュ米大統領に決まっているよ」と答えたものだ。G8の世界に限らずひとつ間違えるとソプラノのユニラテラリズムは冠たるものがある。しかし今年のソプラノはイラク戦争後のけじめがつかないせいか元気がない。「ロンドンテロ」で一層弱気になった。
それでもやはりソプラノが居ないとモーツァルトの「フィガロの結婚」は成り立たない。ロックは世界音楽のごく一部にしか過ぎないことは誰でも知っているのだ。(次回は24日に掲載)
………………………………………………………………………………………………………
ホームページはhttp://www.mainichi-msn.co.jp/keizai/sui/
毎日新聞 2005年7月10日 東京朝刊
********************************
[アフリカ支援]「金額だけが一人歩きせぬように」(読売新聞)
グレンイーグルズ・サミット(主要国首脳会議)はロンドン同時爆破テロの直撃を受けながらも、アフリカ支援と地球温暖化対策を最重点課題とするという当初からの狙いを貫いた。
アフリカ支援については、ナイジェリアなどアフリカ7か国首脳との特別会合での意見交換も踏まえて、議長総括で、具体的な合意を盛り込んだ。
先の財務相会議で一致していた最貧困18か国の国際金融機関に対する債務全額免除に加え、開発途上国全体への援助を2010年までに500億ドル増額し、うち250億ドルはアフリカ向けとし、今後5年間で倍増させる。
自立を促すための、教育や健康への投資の促進、農業などの人材育成や民間の投資を促す経済基盤の整備を助ける方向も示した。
支援の前提として、民主化、政策の透明性確保、汚職撲滅、域内の平和と安全実現への努力などを、アフリカ諸国に求めてもいる。
過去の援助では、資金が無条件にばらまかれ、被援助国の指導者たちの懐を肥やし、汚職を増やした、との批判もあった。そうしたことを繰り返さないための配慮だろう。
貧困や紛争、エイズなど感染症の被害に苦しむアフリカを、平和で安定した地域にするために手を貸すことは、世界全体にとっても重要である。
9月には貧困削減に関する国連の首脳会議でアフリカ支援の議論が予定されている。サミットに参加した国々以外の先進国も取り込んで、具体的な成果を生むような援助が進むように期待したい。
今サミットで、小泉首相は、今後5年間でODA(政府開発援助)の100億ドル増額、アフリカ向け援助の3年間での倍増を約束した。大詰めを迎える国連安保理拡大問題で、日本の常任理事国入りに、“大票田”のアフリカ諸国の支持を得る狙いも込められている。
日本の増額表明がサミットでの援助大幅増額の合意に貢献したとして、ブレア首相から感謝された。だが、これから必要なのは、被援助国の住民から感謝されるような援助を実施することだ。貧困削減に確実につながる援助だ。厳しい財政事情の下で、無駄遣いは許されない。
日本にはアジア向け援助で、“成功体験”がある。相手国の実情に応じて、無償援助と円借款、技術協力を組み合わせ経済・社会の基盤整備を促し、経済的な発展、自立に貢献した。
その実績を日本自身のアフリカ援助だけでなく、先進各国の援助の枠組み作りに生かすようにしていくべきだ。
********************************
特集:グレンイーグルズ・サミット 議長総括(詳報)
英国北部スコットランドのグレンイーグルズで6~8日に開かれた第31回主要国首脳会議(サミット)は、ロンドンの同時爆破テロを非難し、テロ対策への取り組みを強化することを盛り込んだブレア英首相の議長総括を発表して閉幕した。議長総括の詳報は次の通り。
………………………………………………………………………………………………………
我々は、グレンイーグルズにおいて、05年7月6~8日に、主要国首脳会議を行った。
◇ロンドンへのテロ攻撃
昨日、及び本日、グレンイーグルズに集まったすべての世界の指導者は、ロンドンに対する野蛮な攻撃を非難し、犠牲者と家族に対し、心から哀悼の意を表した。我々は、貧困との戦い、人命の救済、生活の改善に取り組むためにグレンイーグルズに来た。我々は、暴力がこのサミットの取り組みを妨害することを認めなかった。テロリストはこれまでも、将来も成功はしない。我々は貧困及び気候変動への取り組みに加え、テロ対策への取り組みの強化を決意した。
◇気候変動
我々の気候変動及び世界経済の議論には、ブラジル、中国、インド、メキシコ、南アフリカの指導者と、国際エネルギー機関、国際連合、世界銀行、世界貿易機関のトップが参加した。
我々は、気候変動への対応、クリーンエネルギーの促進、持続可能な開発の達成について、共通の目的を設定した声明を発表した。
我々は、現在、気候変動が起きており、人間の活動がその原因であること、地球のあらゆる場所に影響を及ぼす可能性があることについて同意した。
我々は、世界的に(温室効果ガスの)排出の増加速度を減速させたうえで減少させ、炭素排出量の少ない経済に移行しなければならないことを理解している。このためには、先進諸国がリーダーシップをとる必要がある。
我々は直面する課題に対処するため、緊急に行動することを決意した。合意した行動計画は、この課題に向けた強い意志を示している。クリーンエネルギー技術の促進のために、市場を発展させ、開発途上国においてもそうした技術を入手しやすくし、ぜい弱な立場にある社会が気候変動の影響に適応できるよう手助けしていく。
新興経済諸国の指導者たちが、我々の議論に参加し、先進国と開発途上国の間のクリーンエネルギー技術に関する国際協力で新しいアプローチが取られるよう彼らの考え方を述べてくれたことを温かく歓迎した。
我々の議論は、国連気候変動枠組み条約の目的及び原則と一致した。G8と大きなエネルギー需要のあるその他の国との間の新しい対話の始まりを示すものである。行動計画を実施し、それを基に取り組んでいく中で、技術を交換し、排出を削減し、持続可能な方法で我々のエネルギー需要に応える最善の方法について探求する。
今年後半にモントリオールで開催される国連気候変動会議で、グローバルな努力を前進させる。
◇アフリカと開発
アフリカと開発の議論には、アルジェリア、エチオピア、ガーナ、ナイジェリア、セネガル、南アフリカ、タンザニアの指導者とアフリカ連合委員会、国際通貨基金、国際連合及び世界銀行の指導者らが参加した。
我々は、2015年までのミレニアム目標達成に最も遠い状況にあるアフリカで、同目標に向けた進ちょくを加速させる方法について議論した。
我々とアフリカのパートナーたちは、強く、平和で、繁栄するアフリカを築き上げるために、これまでの進歩をさらに推し進めることが互いの利益であるということで合意した。我々はこれが達成されるべきであると確信しており、とるべき行動について合意した。
今週のアフリカ連合首脳会議で強く再確認されたように、アフリカの指導者は、貧困削減と経済成長の促進のための計画を推進し、透明性を高めより良い統治を行う。民主的な制度とプロセスを強化し、汚職に対して完全に不寛容であることを示し、アフリカ内の貿易へのすべての障害を除去する。また、大陸全体に永続的な平和と安全を実現すべく努力する。
G8は、これに呼応してアフリカの進展を支援する包括的な計画に合意した。これは、本日の我々が別途、採択した声明に示されている。我々は以下のことについて合意した。
・アフリカの平和維持部隊がアフリカにおける紛争をより良く抑止、予防及び解決することができるよう、それら部隊に対して追加的な資金等を供与する。
・より強い民主主義、効果的な統治、透明性に対する支援を拡充し、汚職と闘い、失われた財産を回復することに貢献する。
・保健及び教育への投資を促進し、エイズ、マラリア、結核その他の致死性の疾病と闘うために行動する。
・アフリカの貿易力構築のための支援や、ビジネスに必要なインフラへの追加的な投資により、成長を促進し、投資環境を改善する。また、アフリカにとって貿易が役に立つようにする。
G8の指導者は、強固な国家開発計画を持ち、民主主義及び透明性向上に努め、より良い統治を目指しているアフリカ諸国のため、大きな追加的資金により、この計画を支援することに合意した。我々は、貧困国が自らの開発戦略と経済政策を決定し、また主導する必要があることで合意した。
我々は、2010年までにアフリカへの支援を倍増させることで合意した。経済協力開発機構によると、すべての開発途上国向けの援助は、2010年までには年間の総額で約500億ドル増加し、そのうち少なくとも年間総額で250億ドルがアフリカ向けとなる。G8とその他の国々は、その資金を調達し、また前倒しでもたらすために、予防接種のための国際金融ファシリティー(IFF)や航空券への連帯税、IFFを含む革新的資金調達メカニズムを進展させる。これらのメカニズムの実施について作業部会で検討する。
G8は、6月11日の財務大臣間の合意で述べられているとおり、重債務貧困国が国際開発協会(IDA)、国際通貨基金及びアフリカ開発基金に対して抱える債務のすべてを削減することに合意した。さらに、ナイジェリアの約170億ドルの債務を帳消しにするとのパリクラブの決定を歓迎した。
G8及びアフリカの指導者は、これらの措置や、我々の包括的計画の中のその他の措置が実施された場合には、以下のことが実現できると合意した。
・2015年までにアフリカの経済及び貿易の規模を倍増させる
・国内、海外投資を増加させる
・毎年、何千万人もの人々を貧困から救う
・年間に何百万人もの人々の生命を救う
・すべての子供を初等教育機関へ入学させる
・すべての人々に基礎的な医療と初等教育を提供する
・2010年までに可能な限り多くの人がエイズ治療を受けられるようにする
・若者に対し、雇用やその他の機会を創出する
・アフリカにおける紛争に終結をもたらす
これらを確実に実現させるため、我々は、アフリカ・パートナーシップ・フォーラムを強化し、同フォーラムが共同行動計画を策定すべきことに合意した。
しかし、我々は、これがほんの始まりに過ぎないと認識している。我々は、今日まで達成した進歩をさらに前進させなければならない。この精神に基づき、9月にニューヨークで開催される国連特別首脳会合に向け前進するとともに、ドーハ開発アジェンダが確実に成功するよう取り組まなければならない。
◇世界経済、石油、貿易
我々は、引き続き堅調さが期待されている世界経済の成長の見通しについて議論した。高騰して不安定になった原油価格は、G8だけでなくぜい弱な開発途上国にとっても特に懸念すべき問題だ。透明性があり、適切なタイミングで開示される包括的なデータがあれば原油市場の不安定性をなくせるのであり、我々はそのデータを得るための具体的な行動の必要性に言及した。
我々は、世界貿易機関(WTO)の新多角的貿易交渉(新ラウンド)全体を成功裏に終結するため、よりいっそう努力することに合意した。G8と新興経済パートナーは、12月のWTO香港閣僚会議までに大筋で合意し、06年中には最終合意に至るため、政治的な努力で弾みをつけることで合意した。
我々は農産品や工業品、サービス分野の貿易でより広く市場を開放する。農業分野の貿易をゆがめる国内農産品への補助金を削減するだけでなく、あらゆる形の輸出補助金を確実な期限までに撤廃させることも確認した。ただ農業交渉では、後発の開発途上国にとって重要な意味を持つ農産品があることをG8が尊重し、彼らが自らの経済戦略を決定できるよう、柔軟性のある合意にすることを保証する。
◇地域情勢と不拡散
我々は中東和平4者協議の撤退担当特使である、ジェームズ・ウォルフェンソン氏と会談し、パレスチナ国家の将来的な自立に向けて(イスラエル軍の)ガザ地区およびヨルダン川西岸の一部からの撤退を支援する取り組みと、そのプロセスを長期的に続ける提案について報告を受けた。我々は同氏の努力を強く支持し、将来に向けて同氏の提案をどうすれば最もよく支援できるかを検討する。
我々はG8と地域の政府、ビジネスおよび市民社会との誠実な協力に基づく「拡大中東および北アフリカの前進と共通の未来に向けたパートナーシップ」への決意を再確認した。政治的、経済的、社会的および教育上の改革を加速するため、この地域でとられている措置を歓迎し、同地域に表れつつある変革の機運を支持することを強調した。このパートナーシップの取り組みをさらに前進させる機会として、今年11月にバーレーンで開かれる「未来のためのフォーラム」に期待している。
昨年12月26日に大きな悲劇を生んだインド洋災害から6カ月が経過したことを受け、我々は津波後の人道援助および国連による一連の復興活動への支持を強調し、将来の災害からのリスクを減らし、人道システムの改革を奨励する決意を確認した。
我々は、大量破壊兵器とその運搬手段の拡散が、国際テロとともに今なお、国際平和と安定への大きな脅威になっていることを再確認した。我々は、我々の決意を確認するとともに、すべての国に対し、不拡散に関する国際的な規範を完全に守り、軍備管理と軍縮に関する義務を果たすことを求めた。我々は、一国および複数の国が連携し、拡散の課題に断固として対処する決意を強調した。特に、北朝鮮とイランにおける拡散の脅威を懸念した。
イランに関して我々は、イランの核計画に関する懸念に対し、交渉をもって対応するため、欧州連合(EU)とフランス、ドイツ、イギリスの努力を支持し、イランが中東和平を支援し、人権や基本的な自由を尊重する重要性を再度表明した。
北朝鮮に関しては6カ国協議を支持し、北朝鮮政権に対して迅速に同協議に復帰することを強く求めた。また核兵器関連計画を廃棄することを求めた。北朝鮮は長期にわたり、人権状況や、拉致問題に関する国際社会の懸念に応える行動をとっていない。
スーダンおよびイラクにおける情勢についても議論し、我々の共通の見解を定める宣言を発表した。我々は別途、中東和平プロセス、拡大中東・北アフリカ・イニシアチブ、インド洋災害、拡散対策、テロ対策に関する声明、および安全かつ容易な海外渡航イニシアチブ(SAFT1)の進ちょく状況の報告も発表した。
これに加え、我々は以下についても議論した。
・アフガニスタンについて、我々は、復興、治安、麻薬対策、法の支配の回復といった長期的な課題に対処するアフガニスタン政府と同国民に対し、我々が支援していく責任を再確認し、議会選挙、地方選挙が近く行われることを歓迎した。
・国連改革について、我々は、グレンイーグルズでの進展が、9月の国連ミレニアム宣言に関する首脳会合で、明確かつ野心的な成果を出すことに寄与するものと考える。我々は、同首脳会合において、開発、安全保障、人権、国連の行政改革に関する大きな前進がみられることが重要であると改めて強調したい。
我々は、06年に次回サミットを主催するとの、ロシア連邦大統領の申し出を歓迎した。
毎日新聞 2005年7月10日 東京朝刊
********************************
「ライブ8」主催者ら、アフリカ援助で成果とサミットを評価
2005年07月09日20時26分
[グレンイーグルズ(スコットランド) 8日 ロイター]アフリカ貧困救済を訴えるコンサート「ライブ8」を主催したボブ・ゲルドフさんとU2のボノさんは8日、主要国首脳会議(グレンイーグルズ・サミット)について、アフリカ支援倍増などの成果を上げたと評価した。
ボノさんは、「これは極貧の終わりではないが、終わりの始まりだ」と強調した。ゲルドフさんは、今回のサミットの点数として、援助については10点満点中の10点、債務削減については8点、としている。
投稿者 ほっとけない*** : 2005年07月10日 17:54

