■質問:
よろしくお願いします。お話の中で2つ教えていただきたいことがあるのですが、1つは、賛同団体に、アフリカで現場を持って活動してらっしゃる方々がたくさん入っていると思います。また、日本国内にアフリカで活動している団体が他にもたくさんあると思います。世界基金は非常にすばらしい団体だと今理解したのですけど、なぜ国内の団体ではなく、世界基金の方に拠出をしようと思われたかについて教えてください。あともう1つは、番組制作をなさるということで、非常に多くの方々の目に触れるということであれば非常に魅力的なのですが、具体的にいつまでにどのようなものをお作りになられるということがどこまで決まっているのかということについても教えてください。
●稲場からの回答: 第一点について、ご説明申し上げます。私どものキャンペーンが「アドボカシーのキャンペーンである」ということをぜひご理解いただきたいと思います。ご説明申し上げましたように、私どものメッセージは「みんなで約束を守ろう」です。世界の指導者、ビジネス界、政界の指導者も皆で市民社会と共に感染症と闘おう、というメッセージを私どもは伝える、そういう趣旨でこの25万ドルに拠出をしたということでございます。単に現場で使われるからという理由で拠出をしたということではございません。感染症への闘いを市民社会がリードをするというメッセージを世界に伝えるために、世界基金に拠出するということでございますので、その点を理解いただければと思います。
●次原からの回答: 2点目の番組制作に関してでございますが、今まさに啓発番組の企画が進行しております。
実際にこの番組制作に向けて、すでに何名かのセレブリティーが、貧困国を訪れるための準備として感染症などの各種予防接種を行ってくださっております。番組の内容に関してですが、多くの方に分かりやすい内容にするために、そして一人でも多くの方々に見ていただけるものとするために、セレブリティーの方々に出演のご協力をいただけることになっております。実際の撮影取材に関しましては、訪れる地域の治安の問題もありますので、情勢をみながら慎重に進めていきたいと考えています。おそらく撮影に関しましては春先までに、その後なるべく早い機会に皆さまに番組として見ていただけたらと考えております。
■質問: 私はジャーナリストです。同じような質問になってしまうのかもしれませんけれども、何度もこのキャンペーンは「貧困をなくすためのアドボカシーだ」とおっしゃっているわけですね。それでいわゆる寄付活動、募金集めの活動ではないと、山田さんも「2つの車輪」というような表現でお話になった。どうしても理解できないのですけれども、それではなぜ世界基金にこれだけの拠出をされたのか、そのつながりがどうしても理解できない。つまり、大変キャンペーンが順調にいって、大変大きな成果が上がったから、当面何に使うべきかとこうなった。それで世界基金ということだったんでしょうか。それからそれに関連してですが、このホワイトバンドプロジェクト・キャンペーンに賛同して、大変多くの賛同された方たちは、これは貧困をなくすためのものだと思って参加された方が大変多いのではないかと思うのですが、それではなぜ、先ほどおっしゃったようにアフリカで、日本の団体で支援をしている、あるいはアドボカシーをやっている団体を育成というか助成というかそういうのにいかないで世界基金にいったのかということです。山本さんにはいささか申し訳ないのですが世界基金のあり方については、ご承知のように色々な議論があると思うんです。これに対して批判的な方々もホワイトバンドのキャンペーンに加わっておられたんじゃないかと。その辺の説明というんでしょうか。説明責任というのでしょうか。その辺はどのように考えておられるのでしょうか。
●稲場からの回答: 私どもの世界基金への拠出に関する趣旨は、プレスリリースの方に明確に書いてありますので、まずそちらの方をご覧ください。 まず、世界基金に拠出をしたというのは、「お金が余分にできたから」といったような理由では全くございません。先ほどご説明させていただきましたが、貧困の問題と感染症の問題というのは、密接に関係があり、これは大きな悪循環として世界の持続的開発を阻んでいる。それで世界基金ができた。ところがこの世界基金に対して、必ずしも国際社会が十分な資金拠出をしていないという現状があります。世界の市民社会の多くは、世界基金に対して、国際社会はもっと拠出をすべきだ、約束を守るべきだということを、世界基金の設立当時から言っています。その点から考えましても、世界基金に対して市民社会が率先して拠出をし、そして世界基金による感染症との闘いというものを支えていくというのが、今回の拠出の趣旨でございます。これは一貫して大きな市民社会の課題であります。そういうことでご理解いただければと思います。
●林からの回答: 私自身、実はエイズ治療薬の特許、貿易、WTOのルール等の時期からですね、一人でアドボカシー活動を日本の中でやってきたんです。国際的に仲間を作って感染者たちと動いてきました。この世界基金は政府が中心になって作っていっているように見えますけど、実は私たち、世界の感染者たちが中心になって応援してきたのです。こういった組織がなければ、こういった感染症問題、さっきのエイズのホスピスにいた子どもたちも助けられないんです。国際機関であると同時に感染者たちが作ってきたんです。私自身病気をして6年前に癌を患ったんですけど、病気してみてやっぱり医者や援助者よりも本人が一番その病気のことがよく分かっている。本人たち、当事者たちが医療のことがよく分かるわけだから、そういう人たちがその医療の枠組みの中に入るような仕組みができないか、ということを実はずっと考えていた。実はこの世界基金というのは、感染者たちや私たちの友人でもあるNGOがその内部にいる一方で、アメリカの保健省長官も理事の中にはおり、大きな企業の人もいる。そのような組織の内部でどういう風にお金を使ったらいいかということも、いろいろな力関係の中で決まります。そういった意味で、市民の方からここにお金を出すというのは単なる募金ではなく、感染者やNGO、患者サイドの意見で物事が進むことにつながるわけです。そうした意味を込めてこの世界基金だということを私からは申し上げたいのです。
●今田からの回答: 一点だけ補足いたします。私のところで申し上げましたように、今回世界基金への拠出は第一弾でございまして、それに続いて、ご説明申し上げたように色々な政策活動支援・調査研究活動支援、途上国でのそういった活動を含む活動に今後支援していく予定になっております。そのことはご確認ください。
■質問: ホワイトバンドの件で一般の人が一番よく分からないのが、「募金じゃなかったの?」という点だと思うんですけど、実際事務局の方にですね、「え、募金じゃなかったの?」というようなご意見なりなんなりがどの程度寄せられていたか、具体的にどのような声だったのかということがまず一点と、今、昨日ホームページ見ましたら、「募金じゃありません」とはっきり書いてあるように思ったんですけど、そういう「募金じゃないんですよ」ということを7月に始めた当初から謳ってらっしゃったのか、どういうかたちでやってらっしゃったのか、あるいは最近変えたのか、ということをお伺いしたい。さっきの世界基金への拠出というのは、結局「直接的な支援ではない」ということなんですよね?アドボカシーの一環であって、今後直接支援をするというお考えはないということでよろしいんでしょうか。
●今田からの回答: 問い合わせに関して私の方からお答えしたいと思います。「募金じゃない」という言われ方は確かにされておりまして、そういったことでメディアにも取り上げられるようなこともあり、私どもの方にも問合せが、Eメールを中心に寄せられております。それに対して、私どもの方は、「これまでの募金活動とは違う」ことを申し上げるホームページの大幅な改訂というものを9月の段階で一回行っております。そこで、「ホワイトバンドFAQ」というところを設けまして、かなり詳しくこのキャンペーンの趣旨説明について行っております。加えて店頭販売の場でも誤解がなきようにということで、ステッカーや、先ほどお見せしましたカードなどを作成し、しっかり伝わるような努力をさせていただいております。
2点目の7月の段階ですけれども、正直申しましてこのように誤解をたくさんの方から受けてしまうということに対して、私どもが予測しきれなかった部分がございます。最初のホワイトバンドのパッケージの中に、「売上げは世界の貧困をなくす活動資金になります」というような言い方をさせていただいておりました。これは今日、このようにお集まりいただいた方にはお分かりにいただけたんじゃないかと思っておりますけれども、私どもが申し上げているこういったアドボカシーの活動と申しますのは、まさに「世界の貧困をなくす活動」にあたると私どもはもちろん思っているわけです。しかしそれがやはりなかなか伝わりにくかった、ということがあるかという風に認識しております。
●次原からの回答: 「ホワイトバンドが募金ではない」というような誤った報道は確かにございました。それに対しては私からもクレームを入れさせていただきましたし、報道された媒体社様からは謝罪の言葉もいただいております。ホワイトバンドは確かに「直接物資や食糧を届ける」という募金ではございませんが、「アドボカシーによって貧困を克服するための活動」への募金というのが、正しい表現でございますので、それは誤解の無いようお願いしたいと思います。
●稲場からの回答: 世界基金についてですが、先ほども申し上げましたように、私どものこの拠出の趣旨というのは、あくまでも「アドボカシー」です。つまり、世界のリーダーたちに「3大感染症と闘おう」という呼びかけをするということです。 しかし、結果として、この25万ドルというのは、途上国における感染症対策に具体的に使われるものでございまして、先ほどリチャード・フィーチャム事務局長が伝えておりましたように、例えば25万ドルというのは、5万世帯分のマラリア対策用の蚊帳を購入できる金額です。あるいは、「500人が1年間エイズ治療を受ける」だけの金額であるということで、結果として直接支援になるということも確かなことでございます。ただ、私どものメッセージは、あくまでアドボカシーであるということはぜひともご理解いただきたいと思います。
■質問: すいません、あのちょっと追加で。アドボカシーも、何ていうんですかね、募金というかそういう活動であるというのはこういう風にご説明を受けるとよく分かるんですけど、アドボカシーとしう言葉自体正直申しまして私ここにきて初めて知ったんですが、世間の方々にも伝えにくいと思うんですよね。その点でちょっと説明が足りなかったんじゃないかという認識はあるのかということ、その点お願いいたします。
●次原からの回答: 「アドボカシー活動であることの説明が足りなかった」という点に関して私の方からも少々お答えさせていただきたいと思います。このキャンペーン、正直言いまして、当初からたくさんのキャンペーン予算があり、全て準備されて、完璧に組み立てられた上で進んできたものではありませんでした。ホワイトバンドを1つ1つ売りながら、キャンペーンの運動資金を捻出し、その上で段階的に発信できるチャネルを増やしていくことが可能になったのです。一番最初はお金のかからない方法、つまりウェブサイトにおいては全て説明しておりましたが、例えば店頭回りの印刷物ですとか、テレビや新聞を使った広告などは、一本一本のホワイトバンドを売りながら、まさに少しづつキャンペーン費用を捻出していったというものでした。ですから、現在店頭に並ぶ無料パンフレット等も、ホワイトバンドの売上が立ってはじめて製作出来たものなのです。そういう意味では、ウェブサイトをじっくり読んでいただけた方には分かっていただけたのですが、急速に広まったキャンペーンのために、ウェブサイトまでたどり着かずに、単純に店頭だけで趣旨を十分にご理解されずに買われた方々が、誤解をされたというのは、残念ながらそういう事情もあってのことでした。
■質問: 先ほどなんか、ウェブを改訂されたとおっしゃっていましたけれど・・・
●次原からの回答: はい。ウェブサイトに初めてたどり着いた方がご覧になられても、すごく分かりやすいように改訂したということでございます。内容に関しましては最初から(アドボカシーであることに)触れてはおりましたが、さらに分かりやすいように刷新させていただきました。9月の初めからです。
●岩附からのコメント:
本日一番初めにお見せしたクリッキングフィルムの中にも、ホワイトバンドを「貧困をなくそうというあなたの意志を表してほしい」という形で初めから説明はさせていただいております。
●次原からの回答: この記者説明会の冒頭にお見せしたクリッキングフィルムはウェブサイトではオンエアしておりますが、残念ながらTVで放映するための十分な広告予算を持っているわけではございません。今までテレビでも放映されたクリッキングフィルムは、みなプレスの方々のお力を借り、色々な番組のなかでご紹介いただいたわけです。現実的に、番組のオンエア時間の問題がございますから、今日ご覧いただいたようなフルバージョンで、クリッキングフィルムを扱っていただける番組というのがなかなか少なく、3秒に1人云々という説明文を抜いた形での紹介というものがほとんどでした。番組中で紹介された、つまり抜粋されたクリッキングフィルムをご覧になったことで、逆に誤解を受けた方々がいたのは事実だとは思いますが、私どもが用意し、発信してきたメッセージというのは活動当初から一貫して変わっておりません。
■質問: 世界基金への拠出というのは当初から計画されていたのか、もしくはちょっと意地悪な言い方をすると、質問なりご批判なりがあったことに対して具体的なアクションとして成されたのかという疑問も残るのですが、その点はどちらなのでしょうか。
●稲場からの回答: 感染症と貧困というのは、非常に密接に結びついています。私たちのキャンペーン開始当初から、さらに、私たちがNGOの活動を始めた当初から、この「感染症と貧困」の悪循環を断ち切らなければならない、という認識を、私たちは常に強くもってきたものでございます。例えば私どものアフリカ日本協議会は、2002年の世界基金発足当初から、この世界基金にもっと資金を拠出しようということを日本社会に呼びかけてまいりました。そういった経緯もございますので、この世界基金を支援しようということはNGO、保健に関わるNGO共通の共通認識であります。
ですので、このキャンペーンにおいて、いつこれを決定したかについていえば、もちろん、これは今日発表したことですので、当然決定のプロセスというのはございますけれども、私たちの頭の中には常に途上国における貧困と感染症、この関係を何とか切っていく、そしてこの感染症の問題を克服することによって貧困の問題を解消していく。この認識は私ども常にもっておりましたのでご理解いただければと思います。
■質問: いつ決めたのでしょうか。
●稲場からの回答: この決定それ自体に至ったのは、当然のことですが、この発表の前ということです。しかし、私どもとしては、この「ほっとけない」で皆さまから預かった資金を、貧困と感染症のへの取り組みに向けた貢献のために活用していく、そして、感染症に関してアドボカシーのメッセージを伝えていくということは…
■質問: 批判などを受けてではない、ということですね?
●稲場からの回答: 最初からそのように申し上げております。
●次原から補足: 実際に案としては、当初から委員会の中では強い希望が出ておりましたが、金額(決定)に関しましては、ホワイトバンドを売りながら、キャンペーン費用を捻出し、その上である程度の余剰金が見えてきたところでの検討作業でしたから、具体的にいくら拠出できるね、と金額が決まりましたのが、ちょうど3週間くらい前でしょうか。
●稲場からの回答: その通りです。
■質問: 有識者提言委員会というのは、NGOには非常になじまないような感じがするのですけれども、色々なところの現場を歩いてきたNGOの方々が集まっているのに、なぜこのような委員会を作ることになったのかというのは、ちょっとよく・・・もしかしたら審議会なのかなという感じでちょっとよく分からないのですが、その点をちょっとご説明いただけますか。
●今田からの回答: まず「有識者」という命名がいいのかというのは、正直議論のあるところだと思います。「第三者」という言い方がいいという意見もありますので、これはとりあえず仮称という風に考えております。こちらからアプローチさせていただいているのは、例えば国際機関の方、あと弁護士の方、あるいは非営利法人のあり方についての専門家、こういった方々です。委員会について2点申し上げられると思うのですけれども、1点はキャンペーンを取り巻く国際的な流れの中で、どういった政策なりアドボカシーの活動を優先させるべきなのか、そういうような大局的な見方が必要ですので、そういった意味で賛同団体の中心となっている「現場型のNGO」とは若干違う見方でこれを考えてくれる人が必要であろうということを考えました。 第二点は、やはりこれだけ広まっております。一方で皆さんご存知の通り、日本でNGOのことを知っている人はまだまだ少ないというのが現状です。そこでNGOが賛同団体等、もちろんその中で民主的なプロセスを経るわけですけれども、NGOだけで決めるということに対して、やはり社会的な信頼性をもう少ししっかり担保しようと、という話が中でございました。ですので、これは今日ご登壇された山本さんもおっしゃってくださったように、やはりこれは新しい形でアドボカシーを推進していくために、市民・NGO・企業色々なセクターの方に関わっていただく必要がございます。そういった意味で、NGOの他の方も例えば委員会のメンバーとして関わっていただいて、彼らの目から見て正しい使い方を考えていただき、そこでこういう風に答申を受けましたということでしっかり説明責任を果たしていこうという意思の表れだという風にご理解いただければと考えております。
■質問: 市民の意識を変えていくのであれば、300円出した人たちの意見を広く集めて、それをやはり見える形にしていくのが本当じゃないかっていう気がするんですけど、なんかすごく金額が4億、5億となった時に「有識者委員会」みたいな名前が出てくること自体なんかあんまりピンと来ないんですね。だから、意図は非常によく分かるんですけれどもやっぱり全体の一人一人の意識を変えていくようなシステムこそね、投げかけていく必要があるんじゃないかと思ったんですけど。
●今田からの回答: 大変ありがたいご意見だと思いますので、ぜひ今日お集まりいただいた方々にもご協力いただいて、ぜひそういったシステムというのを考えていきたいと思っております。
■質問: 先ほどから「アドボカシー」という言葉がずっと出てきていると思うんですけど、ここにいる方は私含めてなんですが、アドボカシーの具体的な中身が分かっていないと思うんですね。もしくは総選挙の時に、みなさんが政党にですね政党問題に絡めて質問・アンケートをされたかと思うんですけど、そういう形を示していくことがアドボカシーの具体的な中身であるし、そういうものここに集まった人たちは皆さんがどういう風に捉えていきたいかっていうことを分かるかと思うんですね。その点において、政策提言、日本の国内に絞って良いと思うんですけれども、これからこれだけの資金を得て、皆さんがどういった政策提言を・・みなさんNGOのプロの方、アフリカのプロの方色々いるわけですね。皆さん自分たちにはどれだけの資質があって、これだけの政策提言をする能力があって、こういうことをやっていけるんだみたいなことがあれば、もしくは具体的なプランがあれば教えてください。
●山田からの回答: アドボカシー活動には、ひとつは、政府の方たちや、場合によっては企業の方たちだったりといった、影響力を持っている人たちに問題を伝えたりとか、その問題をなくすための具体的な方策を提言したり、そういう活動があります。これは、多くの場合は、いわゆる「ロビイング」という形で行われます。
■質問: ・・・今までやったことのあることとかお願いできますか。
●山田からの回答: 「ほっとけない」だけでやっているわけでなく、NGOが普段からやっていることなんですが、私たち自身であるとか、アフリカであれば、アフリカの感染者の方々、もしくは国会議員の方々、そういった方をお連れするなどして、政府に申し入れをするようなことがあります。申し入れをするときに、ただ言いたいことを言うのではなく、実際の現場から見えるもの、いろいろな統計などデータに基づいたことからしっかりとした現実的な対策を提言することがあります。
しかし「ロビイング」は「アドボカシー」の一つの要素でありまして、もうひとつは、「啓発」と呼ばれるものがあります。こういう問題を多くの人たちに届ける、これは、政府の方たちにお話するのと同じことばを使ってもなかなか伝わらないんですね。専門用語や法律用語がたくさん入ってきますから。それをいかにわかりやすく伝えるかということです。それが先ほど触れられていた新聞広告でもありますし、セレブリティの方に広告みたいな形で登場してもらうものあります。他にもたとえば貧困の現場にそういう方たちに行っていただいて、ドキュメンタリーのような形で見ていただくとかいろいろな活動がございます。「ほっとけない」に関しては、ご存じのように「クリッキング・フィルム」というのがありますし、ホワイトバンドもそう言った意味では啓発のほうに入ってくるかと思います。知っていただいたら今度は意思表示という参加をしてもらう。問題はわかった。解決策もわかった。私たちもそれを支持する。という世論の姿をキャンペーンとして見せる。これらをすべて合わせて、アドボカシーです。
ロビイングということに関しましては、私が直接携わったものとしては、ケニアやウガンダから国会議員の方をお招きしまして、日本政府に債務免除のことですとか、ODA増額のことですとかそういった申し入れをすることがありました。私以外の実行委員メンバーも「ほっとけない」との関連でこういう活動をしています。
現在ですと、ODAの、小泉総理がG8で発表された100億ドル増額、これが実際どういう形でお金が出されて、どこに使われるのか、それをつい先日、外務省の担当官にお伺いに行きました。WTOに向けても日本政府がどのように多国間の貿易交渉の中で交渉を続けていくかということに関して訴えをしているところです。
■質問: ホワイトバンド200万本を超えた分の活動費が44%ですが、この44%のうち「アドボカシー」活動は何%にあたるんでしょうか。あとこの44%が、今400万本を越えているんですが、現時点では50%くらい、この44%ともっと違う数字が出るんでしょうか。お願いします。
●今田からの回答: まず1点目ですけれども、私どもは200万本までの30%、200万本を超える部分に関しては44%を、「世界の貧困をなくす活動」にあてると申し上げてまいりました。それは最初から変わっておりません。ただこのような形で記者発表させていただくのにあたり、私どもがやっているのは「アドボカシー活動である」ということをしっかり申し上げようということで、今日はそのように申しております。つまり一応2つの柱として、「政策・調査研究活動と啓発活動」という区分けはしておりますが、44%全てひっくるめて「アドボカシー活動」です。2点目のご質問ですが、44%が今後増えるか、ですが、これはこれくらいが限度となっておりますので、それで最後までいく予定です。
■質問: 直接募金であれば、自分の財布から出した100円がそのまま現地で100円でいくんだけれども、ここでは「活動費の44%」はありますけれども、色んな広告活動含めて色々なものがあるので、実際に我々の認識、イメージである「自分が300円出したうちのいくらが使われるのか」」という数字を知りたかったんです。それは特に出せないんですか?
●今田からの回答: 出せる出せないの話ではなく、300円から消費税を引いた分の44%が「世界の貧困をなくすためのアドボカシー活動」に使われるということです。私たちがやっているアドボカシー活動がどういった意味で、それがどういった効果があるかといったことは皆さんにご理解いただきたいと思いますし、それが理解が進むように我々も努力していかなければいけないと思っております。
●岩附からコメント: 実は私の団体でも、このキャンペーンを知ってそのことがきっかけになってNGOの活動を知り「会員になりたい」とか、そういう方がいらっしゃるんですよね。だから啓発活動というのはその結果いくら実際に役立てるというのは、量ることが出来ないものです。この「ほっとけない」キャンペーンというのは、キャンペーンをきっかけとして世界のまずしさの問題を知ってもらうことによって、そこからまたその人が別のアクションを起こすかもしれない。そういうことを含めると金額には換算できないと思うんですけど、そういった「知らせる」ことを含めて結果的に途上国の人に役立つようにと、そういうことを私たちが念頭において活動していると、ご理解いただければと思っています。
●山田から補足: 一言だけ補足をさせてください。たしかに正確な換算はできないのですが、一方でこれは具体的な効果を持つものなのです。大雑把な例を1つ申し上げますと、日本政府が「ODAを100億ドル増加する」と今年発表しました。これはもちろん「ほっとけない」だけの力ではございません。今年の始めからずっと続いてきたこのG-CAPのキャンペーンの力がずっと日本政府に届いていて、外務省の内部の方からも「これはキャンペーンに対する返答だ」と間接的に伺っておりますけれども、100億ドルというのは1兆円強という計算にあたります。一方で、ホワイトバンドの売上は、今数億円ですよね、それを「直接支援」という形でワクチンにする、注射にする、ペンにする、教科書にする、そういった使い方もできるのですが、こういうアドボカシーが上手くいったときには、その数倍数十倍のリターンがあると考えていただいてもいいかと思います。また、貿易のルールを変えることで、今アフリカ諸国が援助で受け取っている額の倍の額が不公正な貿易で失われているということはNGOだけでなく国連なども試算を出しています。ルールを変えることが、いわゆる直接的な募金よりずっとずっと大きな貧困削減の効果がもたらせるということでアドボカシーをやっています。
●林からコメント:
本当にありがとうございました。本当に今日を皮切りにみなさんにしっかりとご報告させていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。「アドボカシー」という言葉、なかなか難しいですけれども、そういったことをしていかないと貧困をなくすというのは難しいと思います。僕自身「海外協力」というのを20年やって力尽きたことの実感から「アドボカシー」の必要性を感じていて、日本国内での啓発は欠かせないのです。そういうことで皆さんにお願いしておりますので、ぜひこれからもまた色んなことを私たちのところに持ってきてくださり、その上でお伝えすることができればありがたいなと思っております。本当にどうもありがとうございました。
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