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2005年07月13日
グレンイーグルズ・サミットに関する市民社会共同声明~9月に向けて取り
【グレンイーグルズ・サミットに関する市民社会共同声明】



「アフリカ支援」を中心課題に据えたサミットは画期的だった
次のステージ「国連ミレニアム+5総会」に向けて、市民社会の取り組みは続く
(特活)アフリカ日本協議会
TICAD市民社会フォーラム
「ほっとけない 世界のまずしさ」キャンペーン
<まとめ:9月に向けて取り組みは続く>
1. 7月8日に閉幕した英国グレンイーグルズG8サミットは、これまでのサミットと違い、貧困問題の克服を訴える世界の市民社会が見つめる中、アフリカ問題と気候変動という地球規模の問題の解決を主なテーマとして行われました。開催国での地下鉄・バス爆破事件発生という未曾有の事態にもかかわらず、G8首脳がアフリカの貧困克服というテーマを投げ出さず、本腰を据えて討議し、一定の結果を出したことを、市民社会は高く評価します。
2. しかし、具体的な成果については、多くの不満が残ります。
貧困国の債務免除については、対象国の拡大はなされませんでした。また、途上国の貧困克服のための援助の増大についても、2010年までに500億ドルの援助増額というラインが示されましたが、これは国連や、ブレア首相が議長を務めた「アフリカ委員会」の答申で示された額を大きく下回っています。また、ここには債務免除や返済猶予なども参入されているため、開発のための新たな資金は150-200億ドル程度に過ぎません。
3. 日本政府も、サミット以前から、アフリカや貧困問題への取り組みの為の政策を示しています。これ自体は歓迎されるべきことですが、示された政策は貧困克服にとって十分なものではありません。一方、アフリカにおける援助が有効に活用されるためには、国家の統治の仕方(ガバナンス)の改善が不可欠であり、そのため最も有効なのはアフリカの市民社会のエンパワーメントと参画の拡大です。しかし、今回のサミットでは、援助への市民社会の関与の拡大は取りざたされませんでした。この点、世界の市民社会はより積極的に主張していかなければなりません。
4. 今回のサミットで達成できなかった課題は、9月の国連ミレニアム+5特別総会へと引き継がれます。世界の市民社会の取り組みは、9月、ニューヨークに向けてさらなる展開を見せることになります。
1. はじめに:「アフリカ問題」が討議の中心を占めたサミットは画期的だった
7月6日から8日まで、3日間の日程で英国グレンイーグルズで開催されたG8サミット(主要国首脳会議)が閉幕しました。G8サミット自体は毎年開催されていますが、今年のサミットはこれまでのサミットとは大きく違っていました。
2000年に国連ミレニアム特別総会で採択された「ミレニアム宣言」と「ミレニアム開発目標」は、世界の貧困の克服に焦点を当てた画期的な文書ですが、2005年はこの最初の中間評価の年に当たります。このため、世界の市民社会は、2005年を「貧困のない世界」に向けた飛躍の年にすることを目指して、サミットを一つの焦点として世界規模の運動を展開しました。
サミット開催国である英国政府は、この市民社会の運動の高まりに一定程度の配慮を示しました。世界の中でも厳しい貧困に直面するアフリカへの支援を主要議題に設定し、他のG8諸国に対して、アフリカ支援策の積極的な構築を徹底して呼びかけました。
冷戦終了後、アフリカは、グローバリズムの経済的恩恵から取り残されたばかりか、グローバリズムがもたらす負の部分の直撃を受けてきました。欧米を中心とする国際社会は、アフリカが崩壊の瀬戸際に追い込まれるまで、これを放置し、さらに、アフリカでの自らの利権や政治的影響力の確保のために、自己中心的で短絡的なアフリカ政策に固執してきました。結果として、アフリカへの援助は有効に活用されず、腐敗した独裁政権が温存され、債務が積み重なり、不公正な貿易によって貧困が増幅され、市民社会の声はかき消されてきました。
グレンイーグルズ・サミットの終了に当たって、私たちは次のことを、まず確認したいと思います。今回のサミットは、もちろん各課題においては多くの不満を残すところではあるものの、アフリカの貧困を始めとする問題を放置するのは「もう、たくさんだ」という世界の市民社会の運動の高まりの中で、ついにG8諸国首脳がアフリカ問題に正面から取り組むことを宣言したという点で、画期的なものだったということです。実際、サミット期間中に、開催国の首都で4件の地下鉄・バス爆破事件が起こり、数十名もの人命が失われるというサミット史上未曾有の事態が生じたにもかかわらず、G8サミットはアフリカの課題を放り出すことなく、これを正面から議論し、一定の成果を出しました。
残念ながら、サミットに関わる日本の一部報道には「アフリカ問題はサミットの課題としては地味」「テロ事件により、サミットでは対テロが中心課題に」といったものが見受けられました。これは、今回のサミットにおいてなぜ「アフリカ問題」が中心的課題となったかという政治的文脈を見誤った短絡的な認識です。実際には、爆発事件の発生にも関わらず、サミットの主要議題は気候変動とアフリカ支援に揺るぎなく設定され、G8首脳のコミュニケにおいても、この二つが主要部分を占めることになりました。私たちは、今回のサミットを、G8、主流国際社会が、本腰を入れてアフリカ問題に取り組む画期をなしたサミットとして記憶したいと思います。
2.各課題に関わる具体的な達成は不十分に終わった
このことを確認した上で、以下、本サミットで討議された各課題についての成果を見ていきたいと思います。
(1)債務問題について:対象国は広がらず
アフリカの多くの国は、多額の債務に苦しんでいます。歴史的な経緯の中で負わされてきた多額の債務により、アフリカ諸国は、自国民への教育や保健など基礎的なサービスに資金を回すことができず苦しんでいます。このうち二国間の債務問題については2000年のジュビリー・キャンペーン等の高まりの中で一定の進展を見ましたが、まだ問題は残っています。一方、世界銀行、IMFなどの多国間債務に関しては、これまでいくつかのイニシアティブに基づく解決が試みられたものの、いずれも不十分なものに終わっていました。
6月に開催されたG8財務相会議では、重債務貧困国のうち、世界銀行・IMF・主要援助国の主導で導入された「重債務貧困国イニシアティブ」(HIPCsイニシアティブ)の完了点に達した18カ国(うちアフリカが14カ国)の債務を免除することに合意しました。「ほっとけない 世界のまずしさ」を含む市民社会運動(GCAP)は、G8サミットに向けて、貧困克服に債務帳消しを必要とするすべての国々に債務免除を拡大することを求めてきましたが、今回のG8サミットでは、対象国拡大への言及は結局なされませんでした。
貧困の克服に向けて国内改革が進んでいる多くの貧困国は、その改革を支える財政支援を必要としており、G8はその期待を裏切ることになりました。
(2)アフリカを始めとする途上国支援のための資金拠出:金額は不十分に終わる
議長国・英国は、アフリカを始めとする途上国支援のための資源動員に関して、「2010年までにG8全体で500億ドル(約5兆円)の援助を増額する」という目標を設定していました。これについては、EUが発表していた2010年までの400億ドルの追加援助、米国の6億ドルの増額などが、すでにサミット前に交わされていました。ここに、小泉首相が日本のODAを2010年までに100億ドル(約1兆円)増額するとの表明を行ったことによって、英国の設定していた資源動員目標は達成されることとなりました。
この増額は、貧困の克服にとって何を意味するでしょうか。この増額分を「貧困によって命を落としている子供たちを何人救えるか」という観点で評価すると、2010年までに、500万人の子供たちの命を救えるという計算になります。しかし、残念ながら、残りの5000万人の子供たちは、今までと同様に、貧困で命を失い続けることになってしまいます。
実際のところ、貧困克服のために市民社会や国連、さらに、ブレア首相自身が議長となり、アフリカや他の主要国の政治指導者や経済人なども参加してアフリカ支援策のあり方を検討した「アフリカ委員会」(Commission for Africa)が求めていたのは、
(ア)2010年までに各ドナー国が「国民総所得(GNI)の0.7%を援助に拠出する」という35年前の合意を守ること
(イ)緊急の要請として、対2004年レベルで年間500億ドルの追加支援を、2006年以降、即時実行すること
の二つでした。しかし、残念ながら、今回のG8サミットでは、(ア)のいわゆる「O.7%目標」については、どの国からも新しい誓約はなされませんでした。また、(イ)についても、援助の500億ドル増額は2010年になってようやく達成される、ということで、年単位での増額はわずかなものでしかありません。ちなみに、5兆円という金額は、日本の一年分の国防費より若干多く、日本の国家予算の公共事業費一年分(財政投融資分を含む)の半分という金額です。
しかも、この増額分には、債権放棄や借款援助の返済猶予なども含まれるため、貧困国の開発に直接あてられる新規の増額分は、実質的には150~200億ドル程度にしかならないと見積もられています。世界、とくにアフリカの貧困問題は緊急の対処が必要であり、世界の市民社会は、今回のG8サミットで決定した程度の増額では十分ではないと主張し続けています。
(3)公正な貿易:矛盾したG8諸国の姿勢
本年12月には、「世界貿易機関」(WTO)の閣僚会議が香港で開催されます。これに向けて、途上国が不利益を被っている現在の不公正な貿易のあり方の是正が必要とされています。
今回のG8サミットを、「公正な貿易」の実現と、それによる貧困の削減に向けた第一歩とするために、G8諸国は本来、途上国の主張を肯定する意向を表明する必要がありました。これについて、G8サミットのコミュニケでは、「途上国の市場開放の規模とスピードに関する決定権は途上国政府自身にある」と明記されました。これは注目に値する表現です。しかし、香港のWTO閣僚会議に向けてジュネーブで進められている実務レベルの協議などでは、欧米諸国の交渉担当者は、相変わらず、途上国の市場開放の規模やスピードについて、途上国に強い圧力をかけ続けています。G8諸国の政府は「公正な貿易」に関して二枚舌外交をやめるべきです。
一方、欧米諸国が自国の農産品などに高い輸出補助金をつけ、途上国の農産品の競争力を低下させている問題については、残念なことに、欧米諸国はお互いを批判するのみで、輸出補助金の撤廃に向けた具体的な日程などは示されませんでした。
(4)個別分野:保健・感染症を例に
G8サミットで採択されたコミュニケには、アフリカ支援における各種の個別分野(平和・安定の実現、適切で責任ある統治の促進、人々への投資、経済成長の促進、開発への投資、パートナーシップと相互責任)に関する記述も盛り込まれました。これについて、保健・感染症対策分野を例に見てみたいと思います。
保健・感染症分野におけるG8サミットの主要な達成点として、以下の点が挙げられます。
(ア) アフリカにおける保健システムを、長期的な資金および技術の投入によって、国および地域レベルにおいて強化することを確約したこと。
(イ) 2010年までに、途上国における包括的なHIV治療の実現という目標に「できる限り近づく」ことを明記したこと。また、全てのエイズによる遺児および脆弱にさせられた児童が適切なサポートを得られるために働くことを明記したこと。
(ウ) このために、「世界エイズ・結核・マラリア対策基金」の2006-7年における資金需要を満たすために働くことを明記したこと。
(エ) マラリア、ポリオ、結核について、現存するイニシアティブを支援し、適切な対策をとることを明記したこと。
特にマラリア、ポリオについては、実現すべき具体的な資金拠出および具体策の実現のための目標を明記したこと。
また、エイズ・ワクチンなどの新規医療技術開発に向けては、昨年のシーアイランド・サミットを引き継ぎ、これらの開発に向けたG8諸国の結束や官民パートナーシップの実現などについての記述がなされました。
コミュニケにおけるこれらの記述はいずれも、アフリカにおける保健・感染症問題の克服に向けたG8諸国のリーダーシップを示すものとして評価できます。一方、問題として挙げられるのは、とくに(ア)の保健システム確立や(イ)のHIV治療実現等に向けて、G8としての具体策が十分には明示されていないことです。(ア)については、アフリカにおける保健医療分野の主要な問題として、欧米や他の高所得国への人材流出が挙げられますが、これについて、アフリカのとくに公的医療機関に人材をどのように恒常的に確保していくのかについての具体策は明確に示されていません。また、(イ)については、よりストレートに「2010年までの包括的AIDS治療の実現」を明記した6月のG7財務相会合コミュニケに比して、「できる限り近づく」(as close as possible)という表現を挟み込むことによって、壮大な目標に対して腰の引けた印象を拭えないものとなってしまっています。一方、マラリアやポリオについては、具体的な資金・対策の投入内容を明記したものとなっている点で、より進歩した内容であるということができます。
いずれにせよ、これらG8サミットは、たとえば9月にロンドンで開催される「世界エイズ・結核・マラリア対策基金」の第3回資金補充会議などで、G8各国が具体的にどれだけの拠出を誓約するかなど、今後、G8諸国が具体的な貢献の規模や政策内容を問われる場面でどのような行動をとるかによって、その真価が問われることになります。多くの課題に関して、その主要な舞台は9月14~16日に開催される「国連ミレニアム+5特別総会」です。
3.日本が示した対アフリカ支援強化:NGOはこう評価する
一方、日本政府も、サミットの前の段階から、対アフリカ支援強化について様々な提案を行っています。上にも見たとおり、日本政府はサミット中に、2010年までに合計100億ドルの援助増額を発表しました。これについて、日本のアフリカ関係の市民社会は、以下のように評価しています。
(1)アフリカへの注目とODA増額は評価:しかし十分ではない
2005年7月8日、日本政府は英国で開催された主要国首脳会議(G8サミット)で、政府の途上国援助(ODA)を今後5年間で100億米ドル(約1兆200億円)増額すると表明しました。すでに2005年4月22日にインドネシアで開催されたアジア・アフリカ首脳会議(バンドン)で、小泉純一郎首相 は「今後3年間でアフリカ援助を倍増」すると表明しています。私たちは、政府がアフリカに目を向けたこと,および久しぶりにODA増額に踏み切ったことを高く評価します。
しかし,上記の二つのコミットメントは,残念ながらアフリカ民衆の要望に十分応えるものではありません。その理由は以下の通りです。
第一に,アフリカ援助を2003年水準から倍増したとしても,過去最高の水準であった1995年の実績よりも少ないのです。なぜなら2003年のアフリカ支援実績は、1995年の40%以下に縮小しているからです。
第二に,日本の二国間ODAにおけるアフリカの比重も,過去の実績を塗り替えることにはならないだろうと思われます。2003年のODAに占めるアフリカのシェアは8.8%であり,ODAの全体の増加を考慮すれば,3年後のシェアは1989年の15.3%を大きく上回ることはないと思われます。第三に,5年間で100億ドル(年間20億ドル平均)を増額しても,ODAの対GNI比は最大0.23%にとどまり,国際公約の0.7%に遠く及びません。
私たちは,日本のODA政策の中心にアフリカを据えることを求めています。貧困との闘いの最前線はアフリカにあるからです。具体的には、(特活)アフリカ日本協議会とTICAD市民社会フォーラムは2005年4月20日、アジア・アフリカ首脳会議に臨んで、以下のことを提案しました。
(ア)ODAの対GNI比0.7%達成の日程を明らかにすること
(イ)アフリカ援助の割合を二国間ODAの35%まで引き上げること
この二つの要求に日本政府が早急に応えるとともに,アフリカ支援への取り組みを長期的なビジョンに基づき,主体的かつ本格的に取り組むことを求めたいと考えます。
(2)対アフリカ支援における市民参加を強化すべき
私たちは,G8サミットにおいて,資金の増加のみが議論され,アフリカ支援における市民参加の重要性が無視されたことには失望を感じています。アフリカにおける貧困削減は,資金の増加だけでなく,市民社会の参加と動員なくしては実現し得ません。市民の開発への参加は、それ自体開発の目的のひとつです。同時に、援助が必要な人々に望ましい形で届くためには,市民社会の活躍と監視が必要です。つまり、市民社会の参加は、援助効率とアフリカ政府のガバナンスの改善にとってもなくてはならないものです。参加を軽視して量のみを増加すれば、現場での援助吸収の困難とガバナンスの悪化をひきおこす恐れがあります。例えば、南部アフリカに位置するアンゴラ共和国はアフリカで最高の経済成長を遂げているにもかかわらず、政府による利権独占の結果、貧困が深刻化しています。これは参加を欠いた歳入増加がひきおこす悲劇の一例であると言えます。
支援拡大の果実が確実に民衆に届くために、私たちはG8諸国に以下の二点の実現を提唱します。
(ア) 貧困削減戦略を政府中心から市民中心へと転換すること。現在の貧困削減戦略は、アフリカ民衆の知らないところで決定されており、アフリカの市民社会からも批判が出ています。G8諸国は、貧困削減戦略を市民主導のものとするため、ドナー、アフリカ双方の政府、市民社会が対等のパートナーとして協議する枠組みを各国に作るべきです。
(イ) アフリカの公的機関に対する,下からの制度的能力構築・ガバナンス改善の支援により力を入れること。アフリカ諸国の中にはガバナンスの問題を抱える国も少なくないことに留意し、市民の参加を基礎とした能力強化のための支援を行う必要があります。制度的能力構築とガバナンス改善支援は,末端から中央までの公的機関に対する市民の発言権と監視権を増加させることなしには達成されません。
また,わたしたちは日本政府に対し,以下の三点を提言します。
(ア) NGO経由の資金拠出を大幅に拡大すること。G8諸国のほとんどがODAの10‐40%をNGO経由で支出しているのに対し、日本の支出は3%以下です。援助によって政府だけが強化され、市民社会が相対的に衰弱しては、政府のガバナンス改善はありえません。市民を政策決定に近付けることで、援助の効果も向上します。また市民社会の能力を活用することが、援助吸収能力不足の問題を解決する最善の方策です。そこで、日本政府に対し、直ちに援助の10%をアフリカと日本の市民社会経由で活用することを決断することを求ます。(最終的には、この額を40%にまで近づけることを提案します。)
(イ) 日本の援助活用のために,アフリカ各国に市民社会参加の協議の枠組みを作ること。日本政府はアフリカ支援の増額に際し、債務削減を含めた日本の援助の活用に関する協議の場を設けるべきです。この協議の場は,アフリカと日本の市民社会が、政府と対等の立場で、正式に参加できるものでなければなりません。これまで日本の対アフリカ政策は,日本とアフリカの政府によって独占され,双方の市民社会は「意見聴取」の対象に押しとどめられてきたが,こうした状況は改革されねばなりません。
(ウ) 日本の政府・市民社会・民間部門が平等の資格で参加する「アフリカ支援連帯会議」(仮称)を設立すること。アフリカ支援は政府だけの仕事ではなく、民間企業やNGOも支援活動の一翼を担っています。また、アフリカ支援に使われる資金は日本国民の税金であり、国民には政府のアフリカ支援政策について監視・提言する権利および義務を有しています。今後アフリカ支援にむけて国民的合意を作り上げ、市民社会、民間部門に潜在する日本の開発能力の総力を上げるために、全ての関係者が参加する「アフリカ支援連帯会議」(仮称)を設立することを提案します。
4.次のステージ「国連ミレニアム+5総会」に向けて、市民社会の取り組みは続く
冒頭に確認したとおり、G8サミットは、世界の貧困問題、とくにアフリカの貧困をどう克服するかという問題を世界の主要課題とした点で大きな意義がありました。しかし、債務問題や貧困克服のための援助の増大、その他個別課題などについては、今後に大きな課題を残すものとなりました。市民社会のキャンペーンの今度の焦点はニューヨーク、9月の「国連ミレニアム+5特別総会」です。
このミレニアム+5特別総会に関しては、日本ではもっぱら、国連安保理改革、とくに「日本が安保理常任理事国になれるかどうか」という観点からのみ焦点が当たっています。しかし、この総会は、もちろん国連改革も主要課題の一つではあるものの、世界的には、「国連ミレニアム開発目標の達成に向けて、世界がどのように貧困克服に立ち上がれるか」が最大の焦点です。また、日本を始め、新たに安保理常任理事国になることを目指す先進国にとって、この国連総会での最大の試金石は、「世界の貧困の克服にどれだけ責任ある関与ができるか」ということです。
グローバル化の進展の中で、アフリカを始めとする世界の貧困を放置し、場合によってはそれを増幅してきたこれまでの国際社会。2005年を、こうした世界のあり方を転換するきっかけにすることができるかどうかは、市民社会がどれだけ声を上げ、行動できるかにかかっています。私たちは、G8サミットの成果と課題を踏まえ、9月の国連ミレニアム+5特別総会に向けて、日本から、持続的に市民社会の声を世界に響かせていきたいと考えています。
以上
投稿者 ほっとけない*** : 2005年07月13日 20:35
